山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

小児喘息の治療について①

最近では子供の喘息が増えているが、どのような治療が良いのであろうか

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ほとんどの場合、軽症の小児喘息であるが、軽症でも吸入ステロイドを使用すべきなのか、またはロイコトリエン受容体拮抗薬(オノンなど)が良いのであろうか。

 

そもそも喘息の診断は子供の場合非常に難しい。

一般的に喘息の病態は、気道の好酸球性の炎症とされているが、

乳幼児では感染を契機として発症するよ非アレルギーのタイプが多いと言われている。

乳幼児期:非アレルギー性のものが多い

学童:アレルギー性が多い

 

非アレルギー性の場合、感染がをついた場合には喘鳴が改善するため、長期の治療は必要がない。

ただし、アレルギー性つまり喘息の疑いが強いと判断した場合には、下記の喘息ガイドラインに従い、重症度に応じて治療薬を検討する必要がある。

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山内診療所に来る、多くの喘鳴を主訴とした子供さんの場合、年に数回季節的に咳嗽と軽度の喘鳴を生じる子供さんが多い。

この場合にはステップ1の短時間作用性β2刺激薬頓用、つまり吸入薬で治療する。

 

・月に1回以上発作が起きる場合

 このようば場合には、長期管理薬が必要になる場合がある。

月に1回の発作とはいえ、通常は1日だけで症状が改善するのではなく、一度発作を起こ

すとその後しばらく咳や喘鳴が1週間ぐらいは持続することが多く、そういう場合にロ

イコトリエン受容体拮抗薬を服用開始を検討する。

 

・ロイコトリエン受容体拮抗薬を飲み始めた場合には、中止できないか?

ロイコトリエン受容体拮抗薬を内服し始めて、2、3ヶ月ぐらい症状が完全になくなった

場合には、一旦止めてみることを検討する。

もちろん長期に飲んでも副作用はほぼなく、安全性が高いため上記飲んでも全く問題は

ない。

 

・吸入ステロイドを使う場合はどのような時?

 アレルギー性の喘息と診断され、月に1回以上の発作がある場合には、基本的に吸入

ステロイドを検討する。

しかし、低年齢の場合は、吸入が難しい場合もあり。最初にロイコトリエン受容体拮抗

薬を使用する場合がほとんどである。

この内服薬で症状がコントロールされればその治療を継続する

しかし、ロイコトリエン受容体拮抗薬で治療しても、月に1回の発作がある場合には、

吸入ステロイドを検討する必要がある。

 吸入ステロイドを使用する場合には、長期にステロイドを使用することになるため、

小児科専門の病院に一度紹介し、吸入ステロイドの必要性の有無について相談すること

にしている。

 

ガイドラインに基づく冠動脈疾患の診療について

冠動脈に病変がある場合(心臓の血管が細いといわれた場合)

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治療法として

1 薬物療法

2 経皮的冠動脈形成術( PCI

治療方針として、どれが一番いいのか悩む場合がある。

日本では、盛んにカテーテルインターベンション( PCI )が行われているが

どのような状況で、治療法を選択するべきなのであろう

 

1 急性冠症候群(心筋梗塞など)

 このような場合には、大部分の症例で PCI が選択される。

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2 安定狭心症

 この場合には、薬物療法PCI、冠動脈バイパス術( CABG )の三つの治療法がある。日本では PCI が行われることが多いが、本当にすべて PCI をすべきなのであろうか。

 

COURAGE試験

安定狭心症の患者さんを対象に、 PCI薬物療法を比較した試験である。

結果は死亡、急性冠症候群の発生に群とも差がなかった。

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ORBITA試験

 70%以上の重度一枝狭窄が認められる安定狭心症で、虚血症状のある患者を対象に試験を行った。

 まず全患者に対し、6週間の至適薬物治療を行った。その後、心肺運動負荷試験、症状に関する質問票による評価、ドブタミン負荷心エコー法を実施し、無作為に被験者200例を2群に分け、一方にはPCIを、もう一方にはプラセボ手術を行った。

 術後6週間後に、無作為化前に行った方法で再度評価を行った。主要エンドポイントは、運動時間増加量の群間差で、PCIを実施しても、運動時間の改善は認められないとの結果であった。

 

この試験の結果から、安定狭心症の場合は、 PCI ではなく、薬物療法で治療が十分可能な患者さんもいることがわかる。

 

では PCI をすべき患者はどんな人なのであろうか。

重要なのは、心筋虚血の評価である。

負荷心筋シンチグラムにおいて左室の心筋量の10%以上に心筋虚血のある患者さん。

PCI を行うことにより5%以上心筋虚血が改善するような患者さんでは PCI が推奨される。

 

冠動脈造影で有意狭窄病変に対して、心筋血流予備両比( FFR )を測定する。

FFR とは圧センサーつきのガイドワイヤーを冠動脈の狭窄部位より遠位部に入れる。

そしてアデノシン等の血管拡張薬を入れて最大充血を得て測定した狭窄部より遠位部の

圧と近位部の圧の比が FFR である。

それが0 .8起きる場合に心筋虚血と判断される。

 

FAME2試験

冠動脈造影での有意狭窄病変に対して、 FFR を測定した試験である。

FFR で心筋虚血のなかった病変は、レジストリ群としそのまま経過観察とした。

心筋虚血のあった病変では PCI薬物療法が無作為化された。

結果はレジストリ群と PCI 群で差はなかった。

一方、薬物療法群は PCI 群より緊急血行再建が多いという結果であった。

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つまり冠動脈が狭窄している病変でも FFR を測定して問題なければ

PCI を行わず薬物療法でも十分加療が可能なのである。

 

 

2018年に診療報酬の改定があった。

PCI の適応をより厳しくする改定であった。

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PCI の適応

1 有意狭窄があり、かつ狭心症症状がある

2 90%以上の高度狭窄がある病変

3 心筋虚血が証明された病変

 

冠動脈造影で有意狭窄があっても、90%未満で狭心症症状が生じない病変では PCI は適応とならない。

心筋虚血が評価されて、 FFR が0.85きらない場合には PCI の適応とはならない。

 

 

 

日本人は凄いなと改めて思った本です👏👏

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江戸時代の数学者、関 孝和って知っていますか???

なんと、江戸時代に円周率を計算して、円周率を小数点以下11桁まで求めた人物です。

円の中に、正13万1072角形を作り、計算したとのこと

現在の私でも理論はわかりますが、計算できるかな・・・・

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その他にも、独自の記号を用いて、傍書法という、現在の連立方程式を開発したり、

n次方程式の近似的な解を求める方法や、ベルヌーイ数(分数の級数)の発見もしています。

ちなみに、ベルヌーイ数は、あのベルヌーイが発見する200年も前に既に発見していたらしいです。

江戸時代は、平和になり戦などがなくなり、学力に力を注ぐ余裕があったからこそなんでしょうね。

庭に突然、ヘビ出現!!!

梅雨時期は、雨のせいで雑草達が伸び放題🙈

ニワトリの緑餌となるので、雑草も役にはたちますが・・・・🐔

 

なんでも食べるかと思いきや、好き嫌いがある様子

クローバーは大好物ですが、ヨモギは食べないですね・・・・😩

でも、足でかき回すので、背が低く根がまだ伸びていない雑草は、なくなっていくみたいです🐥

 

足でかき回し、雑草を食べたり、雑草の下にいるミミズやう幼虫を見つけたら、喜んで食べますね👍

時には、取り合いしてますし、ミミズがちぎれることも・・・・🍽

 

 

ムカデも食べますよ😄おかげで、今年は家の中などでムカデは出ませんでした👌

去年は、3匹も大きいものが出現して、危なかった・・・・

ありがとう、ニワトリさん🐔

そのほか、昆虫、ナメクジ、ヤモリ、ハチの死骸などタンパク源となるものは食べます

 

 

しかし、庭に突然ヘビが出現しました😳

マムシではなく、毒がないヘビなので、ネズミなどを食べてくれるため、そのまま逃しました🐍

 

マムシは絶対にやっつけますがね!!!

でも、ニワトリがやられないか注意が必要です

 

乳癌検診には、マンモグラフィー? エコー? MRI? どれが良いの?

・乳癌検診には、マンモグラフィー? エコー? MRI

どの検査が一番良いのだろうか?

Up to dateで調べてみた

2019年7月6日の時点での記載です。

まず、結論

エコーだけでは、乳癌のスクリーニングには、使えない

マンモグラフィー:乳癌検診で死亡率が減少することがわかっている唯一の方法

超音波検査:マンモグラフィーと一緒にするのは良いが、エコーだけでの検診は用いない

MRIマンモグラフィーより感度が高く、特異度は低いが、乳癌のハイリスクの人には有効

ROLE OF ULTRASOUND(乳癌検診のエコーについて)Ultrasound is not typically used in the routine screening for breast cancer. 
エコーはルーチンでの乳癌のスクリーニングとしては一般的に使用されていない。

Although whole breast ultrasound screening may detect additional early-stage breast cancers that are mammographically occult, particularly in women with dense breast tissue,
高濃度乳房などでは、マンモグラフィー検査で乳癌が見つけにくい場合があり、そのような場合は、マンモグラフィーに加えて、エコーで乳房全体を観察すると、乳癌の早期発見ができるかもしれない。

the additional screening test carries a substantial risk for false-positive results leading to patient anxiety, breast biopsies with benign results, and follow-up imaging.

しかし、追加の検査をすると偽陽性(悪性でないのに悪性との結果が出る)になったり、患者が不必要に不安になったり、良性のものを精密検査したり、不必要なフォローアップが必要になるなど、マイナス面もある

In one large cohort study that included more than 3000 women who underwent mammography and same-day ultrasonography and more than 15,176 matched controls who underwent mammography alone, the benefits of adding same-day ultrasonography to screening mammography did not outweigh harms.

ある症例対照研究で、マンモグラフィーとエコーでの乳癌検診を受けた3000人の女性と、マンモグラフィーのみを受けた15,176人の女性をマッチさせて比較検討した。
マンモグラフィー+エコーを受けることで、害が有益性を上回る事はなかった。

Women who underwent both studies compared with those who underwent mammography alone had similar cancer detections rates (5.4 versus 5.5 per 1000) and similar interval cancer rates (1.5 versus 1.9 per 1000) but higher false-positive biopsy rates (52 versus 22 per 1000).

しかし、マンモグラフィー+エコーを受けた群と、マンモグラフィー群とを比較すると

乳癌の検出率は、5.4 vs 5.5人(1000人あたり)

interval cancerは、1.5 vs 1.9人(1000人あたり)とあまり変わらない結果に

中間期がん(interval cancer). 一定の間隔でがん検診を実施しているとき、前の検診では陰性と判定されたのにもかかわらず、次の検診が来る前に自覚症状が出現してがんを発見される例のこと。

しかし、偽陽性率が、マンモグラフィー+エコー群で増加した。

52 vs 22人(1000人あたり)

Ultrasonography is commonly used for diagnostic follow-up of an abnormality seen on screening mammography to clarify features of a potential lesion.

しかし、マンモグラフィーで前癌病変などが疑われる病変のフォローアップには使用できると記載があります。

 

結論:エコーは、マンモグラフィーと併用すると、乳癌のスクリーニングには、使えるかもしれないですが・・・・

エコーだけの検査は、そもそも乳癌検診ではないという事ですね

 

乳癌検診って大切ですよ〜

■乳癌検診を受けたことがありますか?

乳癌は、日本人女性が最もなりやすい癌、第1位です。

女性の一生のうち約11人に1人が罹るといわれています。

全国で、毎年約7万6千人が乳癌と診断され、約1万4千人が亡くなっています。

         国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」最新がん統計
                                   (2017年12月08日更新)

■どんな人に多いの?

年齢別にみた乳癌にかかる割合は、30歳代から増え始め、40代でピークを迎え、60代後半から減少していきます。つまり、乳癌は40代の女性に多い癌なのです。  

         国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」最新がん統計
                                   (2017年12月08日更新)

■五島の乳癌検診率の状況

五島市の乳癌検診率は16%程度で、長崎県(25%)の中で最も低い受診率です。

全国平均は44.9%ですので、五島の乳癌検診を受ける人は全国よりもだいぶん低いこと

がわかります。

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■乳癌検診は、誰がどのくらいの頻度で受けた方がいいの?

40~74歳女性2年毎にマンモグラフィ検診をすることを乳癌学会は推奨しています。ただし、血縁者に乳癌の方がいる場合、乳癌になるリスクが高いので、医師に相談してください。

 

■どこで乳癌検診できるんですか?

五島市内で検診ができる病院

・五島中央病院

 

乳癌になるのを避けることは難しくても、早期発見すれば、早く治療することで治る可能性が上がります。さあ、乳癌検診を受けに行きましょう

 

五島市で一体となって医療を盛り上げよう

 2018年に私が五島に帰島して、五島中央病院と五島の開業医の先生との連携があまりうまくいっていないと感じていた。

私は、開業医の先生と五島中央病院の先生が一緒に話す機会があまりにも少ないことに気が付いた。

上級医の先生と話し合いを続け、まずは五島中央病院の幹部の先生が、開業医の先生方を1件1件回り、挨拶することが大事だと確信した。

その後やはり、長崎大学の医局から毎年4月に新しい先生が五島中央病院に来るので、早い段階で、開業医の先生方と話し合う機会が必要と感じていた。

 

2019年6月に初めて五島中央病院で五島市の開業医の先生を招いて、懇親会を開催した。

 

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沢山の先生方が、来ていただき、新しい先生、以前からいた先生

皆で食事をしながら、会話をすることがいかに大切かを実感した。

これから、五島市全体の医療が改善していくきっかけとなれば、いいと考えている。