山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

シイタケの菌を椎の木に植え付けました。

てるてる農場で、シイタケの菌を椎の木に植え付けました。

シイタケはおいしいですよね!!

沢山出来たら、みんなでキノコパーティします。

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まずは、シイタケの菌を購入します。

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椎の木を手に入れます。田舎なので、比較的簡単にゲットなくなりし

種駒に合ったサイズの電動ドリルを使って、原木に穴を開けていきます。

横20cm、縦5cm間隔で、穴を開けます。

種駒(菌が付着した種)を、ハンマーで打ち付けていきます。

子供たちも喜んで手伝いました。

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打ち付けた後は、接種された種駒の菌糸が、確実に原木に移ってまん延を始めるように保湿管理する「仮伏せ」を実施します。

原木に水分を含ませて、周囲をワラ、ムシロ、遮光ネット、ブルーシートなどで必要て、保湿できる状態にします。

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3〜6ヶ月ほど仮伏せしたら、次は本伏せです。

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しいたけ菌は高温には弱いため、直射日光が当たらない場所で管理します。

 

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昨年出来のシイタケです。たくさん出来て、やはり自分で作ると美味しいですよ~~

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ジューシーでめちゃ美味しいです。

同じ木から2〜3年は繰り返し収穫できます。

しいたけが好きな方は、ぜひぜひ自分で栽培して食べてみて下さい。

茅葺屋根の材料であるカヤを切ってきました

茅葺屋根の材料である、カヤを切りに行きました。

茅の茎は分があてるので耐水性が高く、茅葺屋根の材料となります

屋根を葺くかために刈りん取っかた茅をとかくに刈茅(かるかや)と呼び、これを用いて葺いた屋根を茅葺屋根とか呼んでいます。

 

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非常に生い茂ったカヤ、下は沼地なので足元注意です。

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みんなで集まり、頑張ってカヤを切っていきます。

切った後は、ひもでまとめて綺麗に整えます。

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大勢で切ると、あっという間にカヤもなくなっていきます。
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まとめたカヤは、運んで倉庫に保管します。

しかし、まとめたカヤは重い・・・・・・・

1本1本はあんなに軽いのに・・・・・・

 

動画もご覧ください


茅葺屋根の材料である蚊帳を切っているところ


茅葺屋根の材料である蚊帳を切っているところパート2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気管支喘息について JHospitalist Network

定期的に五島中央病院に行って、研修医の指導や救急外来、内視鏡などを行っています。

研修医教育の一環として、JHospitalist Networkというサイトがあるのですが、五島中央病院の先生たちと、自分たちで勉強した内容をJHospitalist Networkのホームページにアップしています。

今回、気管支喘息についての記事が、JHospitalist Networkに掲載されました。

 

JHospitalist Networkとは、日本全国で活躍している総合内科医の情報提供として、国内に総合内科教育の普及をはかることを目標にしているサイトです。

初期研修医・後期研修医だけでなく、日本全国で総合内科をやっている先生方が、二h市場診療で困った際に、参照にしているのではないでしょうか。

 

山内診療所+五島中央病院でのコラボレーションで、少しでも先生方に役立てればと思い、今後も継続していく予定です。

 

 

ヒトメタニューモウイルスについて調べてみた。

ヒトメタニューモウイルスって知っていますか?

私が、大学4年生の時に感染症の先生方の中では知られているウイルスでした。

最近では、よく知られるようになり、小児科の先生だけでなく一般の人も知っている方も多いと思います。冬によく流行するウイルス感染症の一つです。

今回ヒトメタニューモウイルスに関して調べてみました。

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病因

ヒトメタニューモウイルスは、最近発見されたパラミクソウイルスらの呼吸器ウイルス病原体である。

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疫学

ヒトメタニューモウイルス感染症は世界中に分布し、冬に最も多く幼少期、特に5歳までにほとんどすべての小児にこのウイルスに対する血清抗体が検出される。

また、成人を含む高齢者や免疫正常と免疫抑制の双方の患者から検出されている。

つまり、子供は小さいときにほぼ全員が感染する病気なのです!!

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最近の研究ではヒトメタニューモウイルス感染症は、入院小児の下気道疾患の4%、外来患者の下気道疾患の12%、外来での成人や高齢者の急性呼吸器実家の2~4%を占めるとされている。

 

臨床症状

ヒトメタニューモウイルスに関連する臨床症状は、 RS ウイルスによるものと同様で、上気道感染、細気管支炎、クループ、肺炎などの下気道感染症など様々な臨床経過をとる。

症状も不顕性感染からかぜ症候群、時に肺炎と様々である。

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診断

鼻腔や気道分泌液から PCR など行い、検査行う。

しかし、治療方法もないために検査をして確定する必要性は少ない。

 

治療

治療はおもに支持療法であり、特別な治療薬は存在しない。

またワクチンに関しても開発段階ある

 

 

コールドスネアポリペクトミー

大腸内視鏡検査の際に ポリープ を見つけた場合に、切除する方法として、 コールドスネア ポリペクトミー(以下 CSP ) というものがある。

このCSPは、後出血が非常に少なく、かつ治療時間の短縮に繋がり、効率的に短時間に沢山の ポリープ を切除する方法としては、非常に有効な方法である。

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今回この コールド スネア ポリペクトミーについて勉強してみた。

そもそも、大腸ポリープは切除した方がいいのですか?

大腸内視鏡検査で発見される、ポリープの大半は大きさ5ミリ以下のいわいる、微小ポリプであり、欧米のデータではそのおよそ半分が微小ポリープといわれており、微小ポリープ0.1%以下に浸潤癌が発見される。

つまり、微小ポリープは、ほぼ良性のポリープである。

 

アメリカでは、数回の内視鏡介入ですべてのポリープを切除することで将来10〜20年の大腸癌死亡を50%も抑制できることが証明された。

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つまり、大腸ポリープは、すべて切除するほうがいいのである。

 

アメリカではすべての腺腫を大きさに関わらずすべて摘除することが推奨されている。

1〜9ミリ以下の腺腫を、2、3年経過観察すると6%が癌化することが報告されており、ポリープは、すべて切除したほうがいいのである。

2017年欧州消化器内視鏡学会のガイドラインでは、微小ポリープはCSPを推奨、1〜3ミリならCFPも勧めている。

また、6〜9ミリの鋸歯状ポリープもCSPが推奨されている。

日本での大腸ポリープの取り扱い

しかし、日本では、微小ポリープは3年間隔でフォローされていることが多いが、何度も大腸内視鏡検査で観察だけで終了しフォローするのは無意味である。

これは、保険負担額が安く、また何回も大腸内視鏡検査をすると医療機関の売り上げが向上することなども、大きく関与していると思われる。

 

 本来なら40歳以上の日本人に対して、1回の検査で大腸ポリープをすべて切除し、その後は10年に1回大腸内視鏡検査を行うことが望ましいが、実際に、やるべき対象者が5000万人いるのに対し、年間行われている大腸内視鏡検査は40万件程度である。

 大腸内視鏡検査を行う必要がない患者への検査を極力減らし、やるべき人に大腸内視鏡検査ができるような環境作りが大切である。

 

コールドスネアポリペクトミーの適応ポリープは?

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5ミリ以下の微小ポリープではcold snare polypectomyを推奨している。

coldsnare polypectomyは高い完全摘除率、病理診断に適切な標本採取が採取可能である。

また、海外では、6〜9ミリの病変でも、コールドスネアポリペクトミーでの一括切除が推奨されている。

10ミリ以上はEMR、分割EMR、ESDを含む手技で切除する。

有茎性病変は、EMRが推奨されている。

 しかし、通常の観察での陥凹や緊満感や発赤、色素内視鏡によるpit pattern診断、NBI拡大内視鏡検査などで、悪性所見が疑われる場合は、EMRなどの高周波治療を用いる。

 過形成性ポリープが疑われる場合の治療方針に関しては決まったものがないが、5ミリ以上は切除したほうが良いと考えられている。

 

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コールドポリペクトミーのメリット

 通常のEMRよりも簡便で手技時間が短い

 切除後の後出血の頻度が有意に少ない。血液サラサラ飲んでいても特に問題がない。

今までこの手技に関して穿孔例が報告されていない

コールドポリペクトミーの実際

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日本消化器内視鏡学会雑誌 Vol. 59(3), Mar. 2017

大腸ポリペクトミー・コールドポリペクトミー・EMR のコツより引用

 

 

気候クライシス~IPCC特別報告書からの警告~

毎年のように日本や世界で台風や気温の上昇、大雨等の被害が起きている。

テレビや新聞では、50年に1度などとの見出しが出ているが、これはもう聞き飽きたようなフレーズである。

50年に1度ではなく、毎年起きる異常気象は今後も続くのだろうか?

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日本では、2019年のキャッチフレーズは、「ワンチーム」であったが、ヨーロッパやアメリカなど他の諸国でのキャッチフレーズは、気温上昇など温暖化に関するものであった。日本と世界との温度差はどうして生まれるのか?

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2019年に世界各地で起きた異常気象の中でも日本が最も被害が大きかったのではないかと言われている中、日本でのテレビや新聞での報道では、述べられることが非常に少なく、疑問に思うことが多い。

 

地球温暖化は嘘であるという題名の方も多く出ている。また、二酸化炭素が温暖化の原因ではないという本も多い。

しかし、毎年のような異常気象は事実であり、温暖化ではなく、この異常気象が連発することが、温暖化以外で説明でき、かつ改善させることができるのであれば、こんなに嬉しいニュースはない。

しかし、地球温暖化が嘘であり、温室効果ガスで二酸化炭素が関係ない場合に、改善させる方法がなければ、これほど絶望的なニュースはない。

つまり私たちは、この異常気象に対して何もなすすべがないということになってしまう。

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私は、地球温暖化は生じていると思うし、温室効果ガスである二酸化炭素の排出を減らすことが、重要ではないかと思ってはいる。

しかし、これほど石油に依存した生活をしている中で、どうやって抜け出せるのか?私たちは、もう既にできないのかもしれない。

地球の中で地球を壊し続けているのは人間で、地球にとって人間は、”がん”なのかもしれない。

 

先日、NHKで気候クライシスという番組が放送された。

「気候変動により人間が暮らせる場所が地球から次々と消失する」。

国連機関、IPCCが発表した報告書が国際社会に衝撃を与えている。

2019年、温暖化による気象災害が各地で発生し、世界中に広がった抗議デモ。

中心となった少女、グレタ・トゥーンベリが信頼する科学者たちの分析だ。

共同議長のインタビューを軸に報告書を読み解き、気候危機の実態と対策を検証した。


気候クライシス~IPCC特別報告書からの警告~

 

これを観ながら、今後、自分たちが少しでも地球に優しい生き方ができればと思い、暖房は薪ストーブに、買い物は極力まとめて、野菜は自分で作る、果物を育て、ニワトリを購入し、種は固有種にして、毎年F1のたねを購入しないなど、気持ちを新たにしている。

 

コロナウイルス感染症

中国から新コロナウイルス感染症アウトブレイクが起こる、日本や韓国、ヨーロッパなど各地に広がっている。

WHOから、緊急非常事態宣言が出され、ますます感染が拡大する傾向にある。

 

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そもそもコロナウイルス感染症は、日常でありふれた感染症であり、かぜ症候群の原因の一つとされている。

今回、コロナウイルス感染症に関する一般的な知識に関してまとめてみた。

 

病因

コロナウイルスは多型性の一本鎖RNAにウイルスでコロナウイルスという名前はウイルスのエンベロープ棍棒状の突起が並ぶ王冠様の形からきている。

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コロナウイルスは広く多様な動物に感染し、3つのグループに分けれる。

 

SARSとして知られる極めて特異なコロナウイルスは、2002年から2003年に中国南部から始まり、最終的にアジア、ヨーロッパ、北部、南米など28カ国で8096例が確認された。90%の症例は中国と香港で発生した。

SARSコロナウイルスは当初は新規のグループであると思われたが、現在では血清group2の一部と考えられている。

しかし、恐ろしいことに、SARSコロナウイルスの遺伝子解析で、ほかのコロナウイルスとわずかな相違しかないことが示されている。

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つまり、以前のコロナウイルスとほとんど同じなのに、あんなに死亡者が出たということです・・・・・恐ろしい!!!!

 

疫学

一般にヒトコロナウイルス感染症は世界中に存在する。

コロナウイルスには幼少期から感染することが多く、成人の80%以上がコロナウイルスに対する抗体をもつことが示されている。

季節によるが全体的にはかぜ症候群の原因の10〜35%ほどがコロナウイルスとによるものとされる。

特にライノウイルス感染症があまり見られない秋冬そして春にコロナウイルス感染症が多いようである。

 

SARSコロナウイルスの自然宿主はキクガシラコウモリと考えられた、

アウトブレイクは半家畜化したジャコウネコなどと人との接触から始まった可能性がある。

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キクガシラコウモリ

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ジャコウネコ

 

SARSは、多くは人から人への伝播し感染した。

致命率はそれぞれのアウトブレイクで異なるが、全体的には約9.5%であった。

この疾患は小児には明らかに重症にならなかった。アウトブレイクは2003年に終結した。

SARSの感染拡大機序は完全には理解されていない。

感染拡大はエアロゾルとおそらく糞口感染もあることが示されている。

 

病原性

かぜ症候群を起こすコロナウイルスは鼻咽頭の線毛上皮細胞に感染する。

ウイルス複製により線毛上皮細胞は障害され、かぜ症状を起こす。

SARSコロナウイルスは気道細胞に感染する。その結果、全身症状をきたし、血中、尿、そしてふん便にウイルスが検出される。

ウイルスは気道に2〜3週間持続感染し、全身症状が生じて10日後に、最も増加する。

 

臨床症状

SARSは通常一般的に、2〜7日の潜伏期間の後、頻繁倦怠感や、頭痛、筋肉痛を伴う発熱を特徴とする全身症状で始まり、1〜2日のうちに乾性咳嗽と呼吸困難が続く。

25%の患者で下痢を認める。胸部X線写真では様々な浸潤影を認める。

重篤な症例では、ARDSに進行することもある。

重症化の危険因子は50歳以上、心血管疾患、糖尿病、肝炎などである。

妊婦の症状は特に重症と見られるが、小児のSARSコロナウイルス感染症は成人に比べ軽度なようである。

なぜ子供は軽症なことが多いのかわからない

ヒトコロナウイルスによる風邪症状の臨床像は、ライノウイルスによるものと同様である。コロナウイルスによる風邪症状の潜伏期間は約3日で罹患病期間はやや短く平均6〜7日間である。

 

検査所見と診断

SARSでの検索所見異常では約50%の症例にリンパ球減少が見られている。

コロナウイルスのかぜ症候群の診断はほぼ不要である。

 

治療

SARSに有効性が証明された治療法はない。リバビリンがしばしば用いられるが、その効果はわずかであり、臨床経過に有効性は示されていない。その他ステロイドも広く使われているが、どんな有効性も同様に確立されていない。支持療法が治療の中心である。

 

予防

SARS医療機関で医療従事者への感染があったことから、空気感染、飛沫感染接触感染に関する厳格な対策を行うことが必須である。

SARS患者がいる可能性がある場所に立ち入る医療従事者はガウン、グローブ、眼および呼吸器補助具を装着すべきである。

ワクチン

動物のコロナウイルスに関してはワクチンが開発されているが、人コロナウイルスに対するワクチンは開発されていない。