以前のような生活に戻れるのは、子供達や若い人にとって良いことだと思います。
ブログも長期にお休みしていましたが、また再開していこうと思います☺
今回は副鼻腔炎についてです。山内診療所にも、副鼻腔炎で受診される方が多いですね。風邪症状のあとから発症するケースが目立ちます。
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは、鼻の奥にある空洞である副鼻腔の炎症のことを指します。主な症状は以下の通りです。
鼻づまり:副鼻腔が炎症を起こすことで、腫れや粘液がたまり、鼻づまりが起こります。
頭痛:副鼻腔が炎症を起こすことで、痛みが生じます。特に目や額の周りに痛みが生じることが多いです。
熱や倦怠感:副鼻腔炎が進行すると、発熱や倦怠感が生じます。
鼻水:副鼻腔が炎症を起こすことで、鼻水が出ることがあります。
嗅覚の低下:副鼻腔炎が進行すると、嗅覚の低下が生じることがあります。
副鼻腔炎のイラストです。
左のイラストは正常な鼻の様子です。右のイラストは副鼻腔炎が進行した場合の様子です。副鼻腔が炎症を起こして腫れ、粘液がたまっています。
副鼻腔炎の検査
副鼻腔炎の検査方法には、以下のようなものがあります。
・咽頭喉頭内視鏡検査:鼻の奥にある副鼻腔を直接観察する検査法です。鼻の穴から薄い管を通して鏡を入れ、副鼻腔の状態を確認します。この検査法は、痛みが少なく簡便であり、副鼻腔の状態を正確に確認することができます。
・X線検査:X線を使って副鼻腔の内部を観察する検査法です。この検査法は、副鼻腔の骨格や腫れなどの状態を把握することができますが、炎症や粘液のたまり具合などは正確には確認できません。
・CT検査:副鼻腔を断層撮影する検査法です。この検査法は、副鼻腔の状態を立体的に観察することができます。副鼻腔炎の診断には、X線検査よりもCT検査が正確であり、副鼻腔の炎症や粘液のたまり具合を確認することができます。
CT検査のイラストです。副鼻腔炎が進行した場合のCT画像です。副鼻腔が炎症を起こして腫れ、粘液がたまっていることがわかります。
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎の治療方法は、症状の程度によって異なります。
軽度の副鼻腔炎には薬物療法が、重度の副鼻腔炎には手術療法が必要になる場合があります。
【軽度の副鼻腔炎の治療方法】
薬物療法:抗生物質やステロイド剤、抗ヒスタミン剤などが使用されます。これらの薬物は、炎症を抑えたり、粘液のたまりを解消するために用いられます。この治療法は、軽度の副鼻腔炎に有効です。
症状別治療法
痛み:アセトアミノフェン(カロナール)、ロキソニンなどで治療します。
鼻水:抗ヒスタミン薬、ステロイド鼻噴霧薬であるフルチカゾン(アラミスト、フルナーゼ)の局所投与を行います。
副鼻腔に貯留した液の排膿:カルボシステイン、ムコサールの内服を行います。
抗生剤については、発症早期はウイルス感染の可能性が高く、抗生剤は使用せずに治療することが多いです。
感冒症状後に発症し、10日以上たっても症状が改善しない場合、ウイルス性鼻副鼻腔炎よりも細菌性鼻副鼻腔炎が疑わしいとされ、抗生剤を処方します。
細菌性で抗生剤を検討する所見として、以下の3つがあります。
・10日以上たっても改善傾向がみられず継続する症状
・39度以上の発熱や膿性の分泌物や副鼻腔の痛みを認める場合
・風邪感染症などの改善の中で醜状が再度悪化してきた場合
したがって、発症10日未満の急性鼻副鼻腔炎の大部分の症例はウイルス性感染症ですが、症状持続する場合は抗生剤を使用します。
使用する抗生剤
アモキシシリン、オーグメンチンを5~10日間使用します。
【重度の副鼻腔炎の治療方法】
重度の副鼻腔炎には、以下のような治療法があります。
手術療法:薬物療法や点滴療法が効果がない場合、または副鼻腔炎が慢性化している場合には、手術療法が行われます。手術療法には、以下のような方法があります。
・内視鏡的副鼻腔手術(FESS):鼻の穴から薄い管を通して内視鏡を入れ、副鼻腔の内部を観察しながら手術を行う方法です。副鼻腔内の病的な部分を取り除くことで、副鼻腔炎の治療を行います。
・バルーン拡張副鼻腔プラスティー:バルーンを使用して副鼻腔の開口部を広げることで、副鼻腔内の空気の流れを改善し、副鼻腔炎の治療を行います。