こんな論文が出ていました。
ピロリ3次除菌は、千葉の病院の時から経験的なレジメンで治療をしていたんですが、
治療成功率は、20人くらいやって、なんと100%!!
五島でも2次除菌まで不成功の患者さんが結構いたので、患者さんが自由診療で治療を希望され、5人治療しましたが、なんと1人失敗しました。
過去の成績と合わせると、成功率は96%くらいです。
下の論文からも、経験的治療でもまあ良いのではないかと思いましたね〜
感受性試験とあまり変わらないので、費用対効果としても経験的治療が良さそうです。
Efficacies of Genotypic Resistance-Guided vs Empirical Therapy for Refractory Helicobacter pylori Infection
Gastroenterology 2018;155:1109–1119
ピロリ菌の2次除菌まで失敗した患者に対して、遺伝子検査で抗生剤感受性の試験をして治療する、いわゆるガイドラインで推奨されている治療と経験的に3次除菌で効果があるとされているレジメンを抗生剤感受性検査をせずに治療する群との比較試験
Methods
デザイン:RCT
Allocation:Concealed
Blinding:Blinded
Follow up:治療後6週間以上
Setting:台湾の9つの病院
患者:ピロリ菌の2次除菌まで失敗した410人(20歳以上 平均54歳 68%女性)
除外基準:胃癌、重症患者、薬剤アレルギー、胃切除後など
Intervention:
Genotypic Resistance-Guided群、 Empirical Therapy群の
各々205人ずつ割り当て
両軍ともに、ネキシウム40mg+アモキシシリン1gを7日間内服
その後、8-14日は、ネキシウム40mg+メトロニダゾール500mg
この2剤に加えて、
レボフロキサシン250mg
クラリスロマイシン500mg
テトラサイクリン500mgのいずれかを組み合わせた治療をした。
Genotypic Resistance-Guided群:ピロリの感受性試験の結果に基づいて
Empirical Therapy群:以前の抗生剤使用を加味して主治医が判断
Outcome:呼気試験での除菌成功率
Follow up:91%
結果
78%と72%で、数値的には変わらなそうですね〜〜
クラリスロマイシンは耐性92.5% メトロニダゾールも87.7%と非常に高いです。
やはり耐性化が除菌不成功の原因ですね。
Limitation:両群の違いを12%と見積もりN数を設定しているので、もう少し違いの差を小さくすると有意差は出るかもしれないですが、まあそれでも対費用効果を考えると、経験的治療でも良いと思います。
日本では、タケキャブを使用することが多く、成功率はもう少し高い印象があります。