60歳の女性。
左院が痛くて動けなくなり、病院を受診した。来院前日から左足首の痛みが出現した。また来院前に急に左の腰部の痛みを感じた。
最近の医療機関の受診歴と抗菌薬の投与歴はない。既往歴に特記事項なし
バイタルサインは体温39.3℃、血圧112/80、脈拍102、呼吸数18、SpO298%
身体所見では意識清明、左眼瞼結膜に出血斑を認めるほかは、頭頚部では明らかな異常認めず、心音は心尖部を最強点にLevineⅣ/Ⅵの全収縮期雑音を聴取する。
肺野に異常認めず。腸蠕動音は減弱している。
左CVA領域のやや上方に強い圧痛を認めるが皮膚色調に異常認めず、第4腰椎の棘突起の叩打痛を認める。
左足関節は発赤腫膨張圧痛を認める。神経学的所見に異常は認めない。
Q列挙での対応として適切なものは何か?
特に既往がない60代女性の発熱と急性の左足首、左腰部と第4腰椎の痛みを主訴に来院した。身体所見では、心尖部に前収縮期逆流性雑音を聴取し、眼瞼結膜に出血斑を認める。
まずは感染性心内膜炎疑い血液培養を3セット以上採取するのが必要と思われる。
その他心エコー検査、左足関節の腫脹があれば穿刺し関節液を検査する必要がある。
明らかに感染性心内膜炎疑わには培養を採取した後、抗菌薬投与が必要と思われる。
その後この患者は入院となった。入院後は意識清明、体温38.7℃、血圧100/70、脈拍120、呼吸数24、SpO286%
心尖部を最強点に全収縮期雑音を聴取し両肺野でrough crackleを聴取する。
Qこの病態について説明せよ
急性の経過の感染性心内膜炎を疑う。
特に既往がない患者ではあるが違法薬物の注射、細胞性免疫不全等がないかの確認が必要である。急性の経過をとる感染性心内膜炎は黄色ブドウ球菌以外にも、 B群溶連菌などが考えられる。歯科治療で有名な緑色連鎖球菌は亜急性の経過をとるため、今回の症例では黄色ブドウ球菌などを念頭に抗菌薬を検討する必要があると思われる。