山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

コールダック達の成長日記

 コールダックとは、マガモを品種改良したアヒルを,さらに改良したアヒルです。

ヒルと比較して、だいぶん小さく世界最小のアヒルといわれています。

 もともとは、イギリスで改良され,野生のカモをつかまえるために鳴き声で知らせるおとりとして使われていました。

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 なぜコールダックを飼い始めたのか?

 合鴨農法を以前していましたが、アイガモは毎年田植えの時期に、生まれたてのヒナを購入し、穂が垂れる時期になるとアイガモが稲穂を食べてしまう為、田んぼから引き揚げて小屋に入れる必要があり、その後食肉用として処分されます。

 毎年、数十羽のアイガモを処分するのは大変で、水鳥なので、羽を毟るのが大変なのです。しかも、味はありますが肉が固く市場に出しても売れないと思います。

 

 毎年購入するのは、大変な作業ですしお金もかかります。また、えさ代もかさむ為、毎年殺処分する必要があります。命の大切さを勉強する機会と言えばよさそうに聞こえますが、数十羽のアイガモの首を切り、さばくのは大変な作業です。

 1反にたくさんのアイガモを話すことも不自然な感じですし、周囲にネットを張る作業も骨が折れる作業です。

 そういうわけで、私たちはアイガモ農法をやめることにしました( ゚Д゚)

 

 合鴨農法などの歴史はいつからはじまったのか?

 アヒルやアイガモは、平安時代頃に中国大陸から渡来したとされています。

また田んぼにアヒルを放し飼いにして、除草させたのは、なんと豊臣秀吉とされています。現代では農薬散布のために、合鴨農法をする人は少なくなりました。

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 なぜコールダックなのか?

 コールダックは世界最小のアヒルで、大きくても1kg程度までしか成長しません。

穂が垂れる時期でも、田んぼにコールダックを放し飼いできるので、最後まで除草や虫を食べてくれる、まさに優れものです。

 しかも、数羽のみで管理するので、田んぼの時期が終わっても小さいを池作り、そこにコールダックを放しておくことで、何年でも使い続けることができます。

 

コールダックの成長記録

 世界最小のコールダックの成長記録です。

ヤフオクでコールダックの卵を落札します。

ペットとしても人気なので、非常に高いです。1個2000円!!!!!!!!

ややぼったくり感があります。

 孵化率が50%と考えると最低6羽は欲しいので12個も購入( ゚Д゚)

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ふ卵器に入れます。無事に孵化するといいのですが・・・・・

 温度はニワトリよりも低めの37℃、湿度70%以上に保つ必要があります。

水鳥ですので、湿度命ということですね・・・・

 水を切らさないように毎日、湿度計で確認していました。孵化日数は28日です。

 

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28日目に殻を割り始めました!!!!!


殻を割り始めたコールダック


コールダックが殻を割る瞬間


殻を割ったコールダック

1個だけ死籠りとなり、12個中6個孵化して無事に目標の6羽誕生です。

 産まれた後のコールダックの管理

 産まれた後は、温度管理が大切です。羽根が乾いたのちにダンボールの巣箱に入れて保温します。

 餌は2日間くらいはいらないので、少量の水のみ入れた容器を入れておきます。

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数時間で羽根も乾き、歩き始めます。

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ピヨピヨかわいいです(^_-)-☆

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コールダック産まれて数時間後


産まれたてのコールダックと数時間後のコールダック

コールダックが病気に!!!!!!!!!!!

 産まれて、2週間経過した時に、コールダックの目が変なことに気が付きました。

目の周りが濡れて、結膜炎?のような感じになっています。

食欲不振で、あまり食べません・・・・・

なんと半分の3羽が病気に( ;∀;)

まずは隔離します。保温を徹底して、ウイルス性の感染症の可能性もあるため経過観察しました。

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 しかし、目やにも改善しません。調べてもあまり記載がなく、どうしようか悩んでいました。弟が獣医学部なので電話するも・・・・・教授も鳥は診察しないのでわからないとのこと"(-""-)"

 獣医さんは犬、猫の小型か、牛などの大型しか診察できない人が多いみたいですね・・・

総合獣医さんは日本には存在しないのでしょうか?

 とにかく、考えた末に、鳥は消化管が弱っても、目に症状が出る可能性があるようです。コクシジウム症の予防に水の中に酢を入れると良いと書かれており、水に酢を入れてみました。漢方薬で治療したとの記載もあったため、葛根湯を少量まぜてみました。

 正直全くエビデンスがある治療ではないと思いますが、やれることはやってみようと思い、色々と試してみました。

 最終的に、鳥にも人間の点眼薬を使用することもあるとの記載があったため、レボフロキサシン点眼を併用してみたところ、徐々に改善し、食欲も改善しました。

 ニワトリだったら、おそらく病気になった時点で、殺処分も検討しましたが、1個2000円もするコールダックですので、なんとか改善しないかと試行錯誤した結果、改善してラッキーでした。

 

 1か月半後のコールダック達

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コールダック餌を食べる

 

巣箱を、自宅で使用しなくなった風呂桶で作成しました。

ヒノキで作られており、高級巣箱です(笑)

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毎日田んぼに離して、田んぼの虫や雑草を食べてくれています。

カラスに襲われないか心配ですが、だんだん大きくなり、動きも素早くなったので、おそらく大丈夫だろうと思い、時々観察しながら様子を見ていますが、元気に田んぼを泳ぎまわっています。