48歳男性が右不全麻痺と構音障害で入院した。彼は20時間前は特に問題がなかった。
身体所見で、血圧138/76、脈拍72(整)、呼吸数12であった。
失語があり、右半側空間無視があり、右の顔面と手と足の筋力の低下を認めた。右側に感覚の低下を認めている。腱反射は右で減弱している。右のバビンスキー反射認めている。
心電図は洞調律で、頭部 CT では左前頭葉と頭頂葉に低吸収域を認め、頭頚部 CT アンギオでは、内頚動脈は開存しており、左中大脳動脈が80%狭窄していた。
血液検査では LDL108mg/dl 、 HbA1c6.8%であった。アスピリンが投与されている。
最も適切な治療は、以下のどれか
A:アトルバスタチン
B:脳血管内ステント
D:ワーファリン
答え:A
キーポイント
アテローム性脳梗塞の場合は、高用量アトルバスタチンが脳梗塞の2次予防に有効である。
アテローム性脳梗塞の場合、ベースラインの LDL 値にかかわらず、高用量アトルバスタチンが脳梗塞の2次予防に有効である。
その他、プラークの安定化作用や抗炎症作用が期待される。また、内頚動脈の狭窄の進行の予防にも有効である。
B:症候性のアテローム性脳梗塞の患者にステント入れた際に、内服治療と比較して、約二倍の脳梗塞リスクが高まるためステントは推奨されていない。
C:メチルフェニデートは、ナルコレプシー等で使えている薬剤であるが、脳梗塞患者にこれらを投与することに関してはデータがない。
D:アテローム性脳梗塞患者にワーファリンを投与することは、アスピリンを投与することと比較して、死亡率が上昇するため推奨されない。