山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

MKSAP Questions9: Neurology

72歳の女性

5時間前に、発語困難と右顔面麻痺のために救急外来を受診した。

特に内服薬はない。

 身体検査では、バイタルサインは正常。 患者は開眼しており、周囲の状況は理解できている。

自発的な発語はゆっくりで、右側の顔面麻痺と構音障害が認められている。

血液検査では、Hb、血小板数、および凝固は正常範囲内で、 心電図は正常。

頭部のCTスキャンは急性左前頭野に虚血性脳梗塞を認めた。

頸動脈超音波検査では、両方の内頸動脈の狭窄が40%未満であった。

経頭蓋ドップラー超音波検査は正常、 経胸壁心エコーではEF50%で、それ以外は異常なし

アスピリンとロスバスタチンが開始され、患者は3日間遠隔で監視できるユニットに入院し

その間、洞調律であった。

 

次のうち、管理における最も適切な次のステップはどれですか?

A Addition of clopidogrel(クロピドグレル®︎を追加する)
B Outpatient cardiac telemetry(外来 心電図テレメトリー
C Substitution of apixaban for aspirin(アピキサバンを皮下注する)
D Transesophageal echocardiography(経食道エコー)
 
72歳女性の急性期脳梗塞
頸動脈エコーは軽度、心エコーでも異常はなく、心電図でも洞調律・・・・
しかし心原性と思われる脳梗塞だしね・・・・
答えは、B
 
Keypoint!
潜在性脳梗塞の評価では、外来患者に長期心電図モニターを行うと30%
で心房細動が発見される
 
 

Cryptogenic Stroke(潜在性脳卒中

明確な定義や診断基準はないが、潜在性脳卒中は虚血性脳卒中の25-40%を占める

・心原性塞栓が否定的 最低24時間〜数週間(出来れば30日間)の心電図モニターで 心房細動などの不整脈が認められない

動脈硬化性病変が乏しい

ラクナ梗塞では説明できない場合に潜在性脳梗塞を疑う。

二次予防については,塞栓原不明の脳塞栓であっても,抗凝固療法が抗血小板療法と比較して優れているという証拠はない。

患者が心房細動を有しているのかを判断するためには、24時間心電図では3%程度であるが、30日間モニターできれば16%程度まで検出率が上昇する。

日本でもApplewatchなどのモニターをすれば今後検出率が増加するかもしれない。