山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

MKSAP Questions13: Neurology

21歳の男性

ERに到着する30分前に始まった持続性のてんかん重積のために搬送された。

気道が確保され、ブドウ糖チアミンの静脈内投与、およびロラゼパムの静脈内投与が2回行われた。ロラゼパムの2回目の投与を受けた後、さらに5分間痙攣が持続した。

患者の薬剤歴はレベチラセタムとアセトアミノフェン  アレルギー:フェニトイン

身体所見:体温は正常、血圧は155/89 mm Hg、脈拍数は108 /分、呼吸数は16 /分、酸素飽和度は97%(鼻カニューレ6 L)

瞳孔の対光反射はあるが、昏睡状態のままであった。 尿中薬物スクリーニングの結果は陰性。

 

次に行うマネージメントで最も適切なものはどれですか?

A Brain MRI (頭部MRI
B Electroencephalography(脳波)
C Fosphenytoin(ホストイン®︎)
D Lacosamide(ビムパット®︎)
E Valproic acid(バルプロ酸デパケン®︎)
 
イーケプラ内服中の21歳男性のてんかん重責発作ですね・・・😱ERでは時々搬送されてきますね。すでにロラゼパム2回投与しても痙攣が持続していたので、なかなか本気モードの痙攣です。アレルギーにフェニトインがあるので困ったものですが・・・答えは、E
 
Keypoint‼️
てんかん重責発作のある患者さんで、フェニトインにアレルギーがある患者の2 lineの薬剤は、バルプロ酸である。
 
てんかん重責発作は、5分間以上持続する間代性痙攣のことであり、臨床的に診断する。
まずは気道確保し、呼吸や循環動態のモニターをしながら、ドルミカムセルシンなどの薬剤投与+ブドウ糖ビタミンB1投与を速やかに行うことが重要であり、次にフェニトインを使用するが、アレルギーなどあれば、バルプロ酸を投与する。
ピムバットは、抗痙攣薬で時々考慮されるが、ガイドラインで推奨される程のエビデンスがまだない。