山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

内視鏡技師勉強会 in 山内診療所 「カプセル内視鏡」

カプセル内視鏡検査

カメラの進歩もついにここまで来たのかという感じがします。

100円玉くらいの大きさの小型カメラで小腸や大腸を観察できるようになりました。

これがカプセル内視鏡です😺

カプセル内視鏡の大きさ

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小腸カプセル内視鏡検査

カプセル内視鏡は、患者が1個のカプセルを飲み込んで各消化管の検査ができる小型内視鏡である。日本では、小腸用と大腸用が保険適応である。

日本では2,007年に保険収載され以後、バージョンアップを繰り返しより画像が鮮明に観察範囲も広くなっている👌

レコーダー

以前のレコーダーはカプセルからの画像を受け取るだけであったが、最近では小腸の蠕動運動などの影響でカプセルの移動が早くなったり、遅くなったりした場合に、撮影回数を自動的に増やすなどの機能が搭載されており、撮影漏れが少なくなった👀

 

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 カプセル内視鏡検査手順

①検査の8時間前から絶食

②前処置

例)モビプレップ500ml+水250ml程度

例)マグコロールP+水900ml中 300ml程度

これに加えて消泡剤+水も一緒に服用する

③レコーダーに患者情報を入力し、カプセルとレコーダーをマッチングする。

④カプセルを飲んでもらい、その後も画像が記録されているか確認する

⑤2時間後飲水可能 4時間後から軽食可

⑥レコーダーを返却し、カプセルが排泄されたのか確認する

排泄されない場合は、腹部レントゲンを撮影する。

⑤撮影した画像は、ワークステーションに画像を転送し読影する。

 

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小腸狭窄があるかもしれないクローン病の場合どうするの?

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擬似カプセルであるパテンシーカプセルを飲んでもらい、実際にカプセルが通過するのかを検査する。

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開通性があると判断された場合は、カプセル内視鏡検査は可能です😁

 

大腸カプセル内視鏡検査は楽なの?

実際にカメラを挿入しないので、女性など恥ずかしいので検査できないと思っている人でも大腸検査が可能ではあります。

しかし、保険適応は、大腸内視鏡が施行困難、もしくは、施行困難が想定される患者」

となっていること‼️

また下剤を飲む量が通常の大腸カメラよりも多くなるので、下剤を飲むことが結構辛い😱

しかも同時に治療ができないので、ポリープなどがあれば再度下剤を服用して大腸カメラが必要になること、カプセル内視鏡検査で、画像がうまく撮影できない場合は、結局大腸カメラが必要になるかもしれません😩

 

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下剤を飲んで、カプセル内視鏡を飲み込み、さらに下剤を服用する・・・・

 

さらに、大きな欠点が・・・・😱

撮影した膨大な写真を読影する必要がありますが、これがかなり大変です。

相当の量になるので、集中力がない時に読影すると見逃すリスクが高いです。

読影者のやる気次第みたいな状態になることもあります。

そこで、「読影支援技師制度」というものがあり、テストや講習などを受けて、年間10例程度の症例を経験すると資格が得られます。

医師のサポートとして技師さんに読影を依頼し、医師がダブルチェックするなどの方法は既にできています。

しかし、結局他の人に読影をさせるわけで、なかなか広がっていかないのも分かりますよね

今後、人工知能などによる読影ができれば最高ですよね😊

そうなれば、検査もする方も、勧める医師も気持ちが楽になります。