「骨粗鬆症」と言われたら? ~骨密度が低いとどうなるの?骨折リスクと対策~
皆さん、健康診断や人間ドックで「骨密度が低い」「骨粗鬆症の疑い」と言われたことはありませんか?
「歳をとれば骨は弱くなるものだから…」「痛みもないし、特に気にしていない」という方もいるかもしれません。
でもちょっと待ってください! 骨粗鬆症は「静かなる病気」と呼ばれ、症状がなくても進行し、ある日突然、ちょっとした転倒で骨折することもあるのです。
実際に、健康診断で骨密度低下を指摘されたことをきっかけに精密検査を受けたところ、「いつ骨折してもおかしくない状態」と診断され、治療を始めた方もいます。
今回は、骨密度が低いと言われたらどうするべきか?どんな検査や治療があるのか?について、総合内科の視点から解説していきます!
「骨密度が低い」と言われたら、どんな検査を受けるの?
🔎 骨密度を知ることが第一歩!
骨密度が低いと指摘された方に対して、まずは詳しい問診を行います。
骨粗鬆症のリスクは生活習慣や家族歴、既往歴などに左右されるため、血液検査や画像検査だけでは診断が難しいことがあるからです。
⚠ 独立した骨折リスク因子(骨折リスクを高める要因)
✅ 年齢(最大のリスク要因)
✅ 過去の骨折歴
✅ 長期間のステロイド使用
✅ 低体重(58kg未満)
✅ 親の股関節骨折歴
✅ 喫煙
✅ 過度の飲酒
🦴 骨密度測定(DXA検査)
骨密度はDXA(デキサ)法という検査で測定します。
これは腰椎や大腿骨の骨密度を測り、Tスコア(骨密度の数値)を評価する方法です。
Tスコアが-2.5以下の場合、骨粗鬆症と診断されます。
📌 DXA検査の結果の見方
「骨がもろくなっています」と言われたら、どんな治療があるの?
「骨粗鬆症の治療って、カルシウムをとるだけじゃないの?」と思っていませんか?
実は、骨を強くするための治療にはいくつかのアプローチがあるのです。
🍽 食事療法(骨を作る材料をしっかり摂る!)
「カルシウムをとっていれば大丈夫!」と思っている方、要注意!
骨を作るには**「カルシウム+ビタミンD+ビタミンK」**がセットで必要です。
✅ カルシウム(牛乳・チーズ・小魚・大豆製品など)
✅ ビタミンD(鮭・卵・きのこ類&日光浴)
✅ ビタミンK(納豆・葉物野菜)
🏃♀ 運動療法(骨に刺激を与えて強くする!)
骨は刺激を受けることで強くなるため、運動は必須です!
✅ ウォーキングや階段昇降などの「重力がかかる運動」が効果的!
✅ スクワットなどの「筋トレ」も骨を丈夫にする
💊 薬物療法(骨を壊さない&作る力を助ける!)
「食事と運動で何とかなるのでは?」と思うかもしれませんが、すでに骨折リスクが高い場合は薬の併用が必要!
実は、骨粗鬆症の治療薬はたくさんあり、状態に応じて薬剤を使い分けています。
詳細は、次回のブログに記載します。
一般的には、ビスホスホネート製剤を使用して治療することになります。
🔹 骨を壊すのを抑える薬(骨吸収抑制薬)
- ビスホスホネート製剤(週1回 or 月1回飲む or 注射)
- デノスマブ(半年に1回の注射)
🔹 骨を作るのを助ける薬(骨形成促進薬)
- テリパラチド(毎日 or 週1回の注射)
Tスコアが-2.5以下の方や、すでに骨折歴がある方は、早めに治療を始めることが重要です
「まだ骨折していないから大丈夫」と思っていませんか?
ちょっとした転倒で骨折したり、いつの間にか背骨がつぶれたりするのが「骨粗鬆症の怖さ」です。
✅ 「背が縮んできた」「最近腰が丸くなってきた」という方、実は「すでに背骨の圧迫骨折が起こっている可能性」も!
✅ 一度骨折すると次の骨折のリスクが一気に上がるため、「最初の骨折を防ぐ」ことがとても大事です!
📢 健康診断で「要精査」となったら、一度病院を受診しましょう!
適切な対策をすれば、骨折を防ぎ、元気に動ける体を維持できます!