47歳の女性
過去4日間に3回発生した6〜8時間持続する突然の激しい頭痛があり救急外来を受診した。
痛みは自発的に発生し、10秒以内に最大強度に達し、頭部全体が痛く、ズキズキしている。
彼女は、吐き気と羞明があり、精神、視覚、感覚、または運動機能に異常はない。
最初の2つのエピソードはシャワーを浴びている間に発生し、3番目のエピソードは2時間前の夕食の席で発生した。
患者には不安がありますが、頭痛の既往歴や家族歴はない。
彼女は不安のために1ヶ月前にセルトラリン(SSRI)を服用し始めたが、頭痛の発症後にそれを中止した。
身体検査では、体温は37.8°C、血圧は130/80 mm Hg、脈拍数は72 /分。
神経学的所見などの身体検査所見は正常で、頭部CTと腰椎穿刺の結果も正常であった。
Reversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)
20-50歳の女性が突然の(数秒から数分の期間で始まる)激しい頭痛を認め、1-3週間持続する。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、攣縮を起こした脳動脈の灌流域に見合う視覚異常や片麻痺、構音障害、失語、失調等の症状を伴う。
この疾患は、1988年Callら により初めて報告された。
明確な診断基準はないものの、くも膜下出血などの除外を行うことが前提である。
そして
1)CTA/MRA等で脳動脈に多焦点性に部分的攣縮が認められる。
3)髄液所見が(ほぼ)正常である。(タンパク<80mg/dl, 細胞数<10mm3,糖正常レベル)
4)急性の強い頭痛
5)発症から3ヶ月以内に血管撮影の異常所見が改善する
1〜5の基準を満たせば診断できると考えられている。
特徴的な雷鳴頭痛がある場合が、95%であるが、雷鳴頭痛がないこともある。
片頭痛のような嘔吐や視覚過敏などもあり、50%で片頭痛の既往もあるため、片頭痛患者でも疑わしい場合はMRAなどを行う。