山内診療所 てるてる農場

"長崎県五島列島にある山内診療所”で医師として地域医療に携わりながら、 茅葺屋根の家に住み、牛で田んぼを耕し、ニホンミツバチ・対州馬を飼育して いる。

MKSAP Questions7: Neurology

22歳の男性
初めて全身性強直間代発作を起こしてから40分後に救急外来にやってきた。
彼の母親によると、患者は5分間震えを認めていた。
彼はこれまでに発作を起こしたことはなく、けいれん、凝視、混乱、または記憶喪失のエピソードもありませんでした。
彼は最近は特に病気はなく、神経学的異常もない。誕生と発達は正常で発作やてんかんの家族歴はない彼は薬の服用歴はなく、違法薬物は使用していない。
身体検査では、バイタルサインは正常で、神経学的異常所見はない。
血液検査は異常なく、尿中の薬物スクリーニング検査は陰性である。
 

 次のうちどれが最も適切な最初の治療か?

A Head CT(頭部CT)
B Intravenous levetiracetam(イーケプラ点滴)
C Intravenous lorazepam(セルシン投与)

D Lumbar puncture(髄液穿刺)

 

22歳男性の初発の痙攣発作、痙攣は止まっているが、果たして最初にやるべきことは・・・

いきなり髄液穿刺はないでしょう‼️

答えはA

Keypoint‼️

原因がはっきりしない初発の痙攣では、頭部CT検査をまず行、緊急の治療が必要な原因がないか精査をする。

 

初発の痙攣発作では、脳出血などの緊急に介入が必要な原因がないかCTをまず撮影する。

CTはMRIや脳波と比較して容易に撮影可能である。

イーケプラなどは原因がわかるまでは投与はしない。再発リスクを見積もって投与するか決めるべきであり、この患者は初発の痙攣発作であり、てんかん発作の定義は満たさない。

てんかんの定義:24時間あけて2回の原因不明の痙攣発作または1回の痙攣でも検査結果で再発リスクが高いと判断された場合

 

 2年間の再発リスクは、てんかんの定義を満たした場合の再発リスクは60%程度

 身体所見で異常がなく、てんかんのリスクファクターがない、CTで異常がない場合の2年間の再発リスクは40% MRIと脳波でも異常がなければ20%程度まで低下する。

MKSAP Questions6: Neurology

51歳の女性 弁護士

 1年前から毎日午後に倦怠感を自覚するため、頻繁な昼寝を必要とし、オフィスでの集中力が続かないために受診した。

 睡眠衛生の改善、ヨガなどの定期的な運動、、ビタミン補給などのライフスタイルを改善したが、症状は改善しなかった。

 彼女は5年前から多発性硬化症に罹患しており、薬はグラチラマー酢酸塩注射液(コパキソン皮下注®︎)とビタミンDを内服していた。

 身体検査では、バイタルサインは正常、うつ病のスクリーニングは陰性です。 その他の身体検査は異常なし。 ヘモグロビンと甲状腺刺激ホルモンレベルも問題ない。

 

最も適切なマネージメントは?

51歳の女性は、頻繁な昼寝を必要とし、弁護士として働くオフィスでの集中力を損なう1年間の毎日の午後の倦怠感の病歴について評価されています。 睡眠衛生の改善、定期的な運動、ヨガ、ビタミン補給などのライフスタイルの調整は、この症状を解決していません。 彼女は多発性硬化症の5年の歴史があります。 薬は酢酸グラチラマーとビタミンDサプリメントです。 身体検査では、バイタルサインは正常です。 うつ病のスクリーニングは陰性です。 身体検査の残りの部分は貢献していません。 ヘモグロビンと血清甲状腺刺激ホルモンレベルを含む臨床検査の結果は注目に値しません。 

A Baclofen(リオレサール®︎)
B Memantine(メマリー®︎)
C Modafinil(モディオダール®︎)覚醒を維持するための精神刺激薬
D Substitution of an interferon beta for the glatiramer acetate(コパキソン皮下注)
E Tetrahydrocannabinol-cannabidiol combination(医療用大麻
 
多発性硬化症の女性が、日中の眠気と集中力低下に困っている・・・・・
医療用大麻はないでしょう‼️
メマリーも、認知症で使用しますが、ほとんど意味ないしね・・・
正解は・・・C
 
Keypoint‼️
多発性硬化症関連の倦怠感では、モディオダールが有効である。
 
多発性硬化症では、慢性の倦怠感、睡眠障害うつ病などの症状が生じる。
精神的に疲れたような感じを午後に生じることもある。
睡眠習慣の改善などをやることはもちろんであるが、それでも改善しない場合は、モディオダールが有効である。
 
 中枢神経系の複数箇所に脱髄が生じ「空間的多発性」、また再発性に生じること「時間的多発性」が特徴の中枢神経系脱髄疾患
20-30歳代の女性で特に発症しやすい

 

・視神経の症状:視力の低下、視野の異常、眼痛などの症状

・脊髄の症状:運動症状(手足の麻痺、つっぱり)、感覚症状(手足のしびれ、感覚低下、痛み、帯状の締めつけ感)、膀胱直腸障害(失禁失便してしまう)など

・脳の症状:運動症状、感覚症状に加えて、失調、複視、構音障害、吃逆、嘔気、傾眠(極端な眠気)、精神症状(集中力の低下、疲れやすさ、抑うつ)などの症状

発症様式:急性ないし亜急性のことが多く、自然寛解することもある。

「ウートフ兆候」

夏場や入浴時の体温上昇により症状が一過性に悪化する

「レルミット兆候」

頸の曲げ伸ばしで手足などにしびれが走る

私達が2030年までにやらなければならないこと

NHKスペシャル シリーズ「2030 未来への分岐点」

第1回「暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦」

第2回「大地は人類を養えるのか ~水・食糧クライシス~」

第3回「プラスチック汚染の脅威 ~新たな社会システムは構築できるか~」

コロナ禍でありながら、NHKでは環境問題についてのシリーズが放送されています。

第1回「暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦」の放送を見て、ショックな内容だったので一部内容を記載します。

 

段々と日々温暖化が進行しているなと実感することが多くなりました。

毎年夏は、熱中症で倒れる人が続出し、学校では昼間校庭で遊ぶのは命の危険もあるような状態です。2020年冬は温暖化なのかと疑うくらいに雪が降り、寒くなりました。

しかし、私達はこのままいくと2030に、産業革命前から+1.5度に達するようです😨

地球の平均気温が、この“臨界点”を超えると温暖化が加速され、“灼熱地球”へと暴走を始める可能性が最新研究で明らかになってきたとの内容でした😱

  国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、ニューヨークのコロンビア大学で行った地球環境の現状に関する演説の中で「人類は自然に戦争を仕掛けている」と語り、「私たちは破壊的なパンデミック、記録的な地球温暖化、記録的な生態系の悪化、より公平かつ包括的で持続可能な開発を目指す世界的目標の新たな後退に直面している」「単純に言って、この惑星の状態は壊れている」と述べました‼️

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「人類は自然に戦争を仕掛けている。これは自殺的だ。自然は必ず反撃する」

既に生物多様性の崩壊、種の絶滅の危機、砂漠の拡大と森林の喪失という形で自然が反撃力と憤怒を強めていると指摘する。

「海洋は魚類を乱獲され、プラスチックごみで窒息している。海は二酸化炭素を吸収して酸性化する。サンゴ礁は白化して死んでいる」

「大気汚染や水質汚染は年間900万人を殺害する。その犠牲者数は現在のパンデミックの6倍を超す。人間と家畜が動物の生息地をさらに侵害して野生空間を破壊することで、ウイルスなどの病原体が動物から人間へと乗り移る」

年間通して寒い気候のグリーンランドですが、氷床が溶けて湖ができている状態です。

2019年には観測史上最も氷が溶けたとの報告がり5320億トンもの氷が溶けました。

オーストラリアの山火事で、30億匹の動物が犠牲になっています。

カルフォルニアでも、山火事が起き、2020年には世界の森林火災の面積は約63万㎢もの面積が消失しました。

これは日本の約1.7倍もの面積なのです。日本全体を火事にしても足りないのです・・・😅

 

また2020年にシベリアの気温が38度になったことはニュースでは報道されていません。

実は、数万年前の永久凍土が溶けて、その中からリウイルスというウイルスが検出されました。このウイルスは、生物の細胞に入ると細胞を死滅させ、どんどん増殖するのです。

つまり、人間に感染したら、人間の細胞をどんどん死滅させて増力する力があるということです😣コロナなんて、かわいいものかもしれません・・・・

 このような経緯から、研究者たちはWHOに意見書を提出し、新たな感染症が生じる危険性が高い、永久凍土はパンドラの箱であり、今後どのようなウイルスが出てくるのかわからないと警鐘を促しました。

 

 ポツダム気候影響研究所のヨハン・ロックストローム博士は、今までは、森や海が人類が排出した二酸化炭素を吸収していたが、地球はすでに飽和状態となっていると述べました。

 今や自動車の保有台数は60年で10倍になり14億台にまで増加、電気消費量も70年で25倍になり、食生活では肉の消費量が大幅に増加し、そのため家畜を育てるために森がどんどん失われました‼️ つまり、人間は人間の欲のために地球を破壊し続けているのです。

www.ted.com

もはや日本の緊急事態宣言ではなく、人類存続の危機のための緊急事態宣言が必要な状態なのです。

毎年のようになった日本での水害、大型台風ですが、これがさらに被害が増加することは間違いなさそうです。

私達に何ができるのか、それは2030年までに、二酸化炭素の排出量を半分にしなければならないということです‼️ 2050年までには排出量をゼロにしなければなりません。

 

 私達は、コロナ禍の後はどのような未来が待っているのでしょうか?

新型コロナウイルスは、もしかしたら私達人類が地球に戦争を仕掛けた事による、自然からの最初の反撃なのかもしれません。

私達が今の生活を180度変換した生き方に変化させない限り目標達成は難しいのかもしれません。

PCI 後1~3ヶ月でアスピリンを中止!!P2Y12阻害薬のみ継続する

Stopping aspirin 1 to 3 month after PCI reduces bleeding without increasing MACE vs. continued DAPT

 

今回は、ACPジャーナルクラブの circulation.2020;142:538-45を勉強しました。

 

Question:PCI後のDAPTを1〜3ヶ月継続して、その後アスピリンを中止し、P2Y12阻害薬のみにする群とDAPTを継続する群とを比較して、出血や主要心血管イベントはどうなのか?

 

※P2Y12阻害薬とは

ADPの受容体(ADP受容体:P2Y12)に作用しADPの働きを阻害することで、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑える作用をあらわす。

例)チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレルなど

 

Review methods:2001年から2020年までのRCTを検索した。

PCI後1〜3ヶ月は、アスピリン+P2Y12阻害薬を継続し、その後アスピリンのみにする群と、DAPTを継続する群を比較検討した。

患者は、安定狭心症または急性冠動脈症候群で6ヶ月以上フォローアップできた患者

抗凝固療法を行っている患者は除外された。

 

Included studies:

5つのRCT(n = 32145 平均65歳(77%男性)56%が急性冠動脈症候群、44%が安定狭心症)バイアスは少ない

 

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結果は、出血イベントがDAPT群で多く、主要な心血管イベント(心筋梗塞・死亡)は有意差は認めなかった。

 

結論:PCI後1〜3ヶ月で、DAPTからアスピリンのみにすることは、出血イベントが増加せず、また心血管イベントは増加しませんでした。

ただし、今回の研究ではアスピリンのみであり、中止後はプラビックスやエフィエントの継続であることに注意が必要ですね〜〜

五島で「かまくら」づくり‼️‼️

 地球寒冷化⁉️と間違うくらいの大寒波が五島列島を襲い、山内診療所は一面雪景色になりました😁

 通行できないため患者さんも受診できない状況に・・・・

雪かきついでに、鎌倉を作ってみました🎶

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犬は、大喜びで走り回ってます🐶さすが・・・👏

五島市、山内の朝の様子☃️

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診療所の雪かきのついでに「かまくら」作ってみました😁

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ほぼ一人での作成のため、1時間くらい作業開始して、なんとか3人くらい入れる、かまくらが出来上がりました👏

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子供たちも大喜び😊七輪で焼いた餅は最高ですね〜〜〜〜‼️何個でも食べれてしまいます👍🏻

MKSAP 神経 Item5

48歳男性が右不全麻痺と構音障害で入院した。彼は20時間前は特に問題がなかった。

身体所見で、血圧138/76、脈拍72(整)、呼吸数12であった。

失語があり、右半側空間無視があり、右の顔面と手と足の筋力の低下を認めた。右側に感覚の低下を認めている。腱反射は右で減弱している。右のバビンスキー反射認めている。

心電図は洞調律で、頭部 CT では左前頭葉頭頂葉に低吸収域を認め、頭頚部 CT アンギオでは、内頚動脈は開存しており、左中大脳動脈が80%狭窄していた。

血液検査では LDL108mg/dl 、 HbA1c6.8%であった。アスピリンが投与されている。

 

最も適切な治療は、以下のどれか

A:アトルバスタチン

B:脳血管内ステント

C:メチルフェニデート

D:ワーファリン

 

答え:A

キーポイント

アテローム脳梗塞の場合は、高用量アトルバスタチンが脳梗塞の2次予防に有効である。

 

アテローム脳梗塞の場合、ベースラインの LDL 値にかかわらず、高用量アトルバスタチンが脳梗塞の2次予防に有効である。

その他、プラークの安定化作用や抗炎症作用が期待される。また、内頚動脈の狭窄の進行の予防にも有効である。

 

B:症候性のアテローム脳梗塞の患者にステント入れた際に、内服治療と比較して、約二倍の脳梗塞リスクが高まるためステントは推奨されていない。

 

C:メチルフェニデートは、ナルコレプシー等で使えている薬剤であるが、脳梗塞患者にこれらを投与することに関してはデータがない。

 

D:アテローム脳梗塞患者にワーファリンを投与することは、アスピリンを投与することと比較して、死亡率が上昇するため推奨されない。

 

山内診療所では、新型コロナウイルス対策の強化を行いました☺

新型コロナウイルス感染の感染者拡大で、長崎県でも毎日多くの患者さんの感染が報告されています( ゚Д゚)
クラスター発生も報告されており、山内診療所では、さらに新型コロナウイルス感染対策を強化しました!

山内診療所では、新型コロナウイルス対策の強化を行いました☺

 新型コロナウイルスの検査については、山内診療所でも検査を行っております。

新型コロナウイルス感染疑いのある患者様は、事前に電話頂き車の中で待機して頂きます🚙医師または看護師が防護服に着替えて、車の窓越しからPCR検査または迅速抗原検査を行います💉

 迅速抗原検査は、発熱などの症状がある場合に適応があり、15分程度で結果が判明します☺

https://clinic-yamauchi.com/wp/wp-content/uploads/2021/01/20201217131346.jpg

 PCR検査は、無症状または有症状の患者さんが適応があり、平日の午前中(10時半頃まで)に来院頂き、唾液にて検査を行います!! 結果は翌日の昼までに判明するので電話にて結果をお伝えします(^_-)-☆

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 また、院内に入る際にはマスクを着用し、アルコール消毒を用意しておりますので、ご協力をお願いします!
感染対策のために、院内トリアージ、定期的な次亜塩素酸での消毒をしっかりと行っております。

山内診療所では、新型コロナウイルス対策の強化を行いました☺2020年年末より、院内に入る患者様の人数を制限しております。
院内へは最大8人までとし、距離を十分に確保して座っていただきます。
その他の患者様は、車での待機をご協力いただいております。