年齢が若い患者さんで LDL コレステロールが健診の結果で高いことを主訴に診療所に
やってくることがあります。
スタチンを使用することが本当に良いのか悩ましいですが、 AHA のガイドラインによると、 LDL コレステロールが190mg/dl 以上であれば、1次予防としてのスタチンが推奨されています。
しかし、日本人にこれを当てはめていいのかまだわかりません。患者さんと話し合いケースバイケースでのスタチン使用が望ましいと考えてます。
もちろん脳梗塞、心疾患などの既往があれば、2次予防としてのスタチンは使用しています。むしろ使用しないといけないですよね。
Item1
35歳女性が定期健診で LDL コレステロールが高いために、やってきた。家族歴は患者の父が45歳の時に、心筋梗塞の既往がある。彼女は薬剤は何も飲んでいない。
身体所見ではバイタルサインは正常 Ba 前は30他に特記すべき所見はない。
血液検査データ
ALT30
TSH 正常
コレステロール 94mg/dl
LDL コレステロール 195mg/dl
HDL コレステロール 55mg/dl
トリグリセリド 220mg/dl
彼女は、アテローム性の冠動脈疾患のリスクを減らすようなライフスタイル change 治療に対しては意欲的である。
AHAガイドラインに沿った最も適切な治療は何か
A)Evolocumab
B)ロスバスタチン
C)アトルバスタチン
D) 特に治療しない
答え B
Key Point
AHAガイドラインでは、 LDL コレステロールが190mg/dl 以上の21歳以上の患者では、ストロングスタチンを冠動脈疾患の1次予防として使用することを推奨している
最も適切な冠動脈疾患の1次予防として、この患者さんにストロングスタチン(ロスバスタチンまたはアトルバスタチン)を使うことが最も適切である。
AHAガイドラインでは、21歳以上で、 LDL コレステロールが190mg/dl 以上の人に、冠動脈疾患の1次予防に、スタチン内服を最大限に用量を増やすことを推奨している。
これは、10年の冠動脈リスクの結果にかかわらず使用することが推奨されている。
スタチンを使用して LDL が少なくとも50%低下するように調整することが望ましい。
一方、 USPSTS では、高脂血症、糖尿病、高血圧、喫煙歴、10年間での冠動脈リスクが10%以上の患者さん または 40~75歳で冠動脈リスクがない患者さんでは、軽度~中程度のスタチンを使用することを推奨している。